健康流倉坊

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とらドラ!ポータブル──大河結局

成田空港に降り立つ日本通の外国人は、よく『醬油の匂いかする』と言うらしい。 げれど粋の日本人である私には、たとえ数年ぶりの母国でも、そんなものは感じられなかった。 「……ねぇ、醬油の匂いする?」 傍らに立つ、生まれつき凶悪な顔のお人よしに、そう聞いてみたけれど。 「どうした、機内食でもこぼしたのか?」 ――などと面白くもないことを言い返す。 まったくもってこの男は、知り合った頃からずっとこんな調子だ。 変わったことといえば年齢を重ねたこと、そして高校、大学を卒業し、今ではミラノでインテリアデザイナーとして活動していることだ。 『イタリアに行く』と言い出した時には、何をトチ狂ったかと思ったものだが、若くして独立し、立派な事務所まで構えてるんだから大したものだ。 最近購入したばかりの、一流デザイナーによるオーダーメイドのスーツまで颯爽と着こなして、そのいかにも新進気鋭といった様が、なんだか小憎らしい。 たぶん神様は、その顔面の代償として、あふれる才能を惜しみなく与え給うたのだろう。きっとそうだ、そうに違いない。 「竜ちゃーん!大河ちゃーん!」 「おう、泰子!わざわざこんなことまですまん」 「ううん、家で待ってらんないも~ん」 「やっちゃん、久しぶり!」 「やぁん、お久しぶりぶり~!」 しかし、この人はなぜこうも変わらないのだろう?出会った頃より少しは少しは老けた気もするが、それでも30前後にしか見えない。絶対詐欺だ。 豆乳か?それともケフィアのなせる業か?いずれにせよ毘沙門天国は、この笑顏の魅力で戦えるに違いない。 「それにしても大河ちゃん、ずいぶんおっきくなったもんだねぇ~」 滿面の笑みがさらに目を細くして、私を柔らかく包む。身長の話ではない。間もなく臨月を迎えるこの腹のことだ。 「3つ子だったって~?確かにそれくらい入ってそうだねぇ」 「うん、自分でもよくこの身体におさまってると思うよ。まさに肉体の神秘!」 「世界の七不思議に登録申調しとけ」 「勝手にしとけ」 「フフッ、やっちゃん、おばあちゃんになるんだねぇ~」 かつて犬と呼んだつれあいが、そこで顔を赤くした。今更何を照れるんだろう、この男は?結婚して何年経つと思ってるんだ? そういえば、犬は一度に匹も身ごもるんだってか。まるっきり犬みたいじゃないか。ほら笑え、自身の子だぞ――うん?この展開は……あれ? 「ねえ、竜児」 「おう……俺もたぶん、同じこと思ってる」 それは、かつて見た真夏の夜の夢。夫が犬で、犬小屋で、私は犬の子を何匹も産み、赤貧の暮らしを営んで…… ああそうだ、夢の中でもやっちゃんは、犬の孫を何匹も抱えて、こんなふうに笑ってたっけか。 「ほぇ~?」 ふとロをつぐんだ私たちの前で、やっちゃんが大きな疑問符を浮かべた。 竜児が笑う。私もつられて小さく笑う―― あの夏見た、まんざらでもないと思っていた夢を、やがて希うようになった未来を、私はこの手につかんだようだ。
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